関節トレーニング
Joint Training
●筋力低下は現代病?
私達は明治以降、西洋文明を取り入れ、世の中は便利になって来ました。
それはそれで一定のところまでは良かったと思います。
ですが、便利さを追求するあまり失ってしまったモノが沢山あるのだと思います。
その一つが筋力低下です。
昔の、筋力がある人であれば緩める施術だけでも良かったかも知れません。
ですが、これだけ身体を使わなくなってしまった現代人には緩めるだけでは合わないのです。
そう言った意味で、当院では「鍛える」施術、運動療法(関節トレーニング)を積極的に取り入れています。
●筋力低下が招く、様々な症状
●例えば、靴を履く生活になって私達は足の指を使うことが出来なくなっています。
歩く時に指で地面を掴むという、生き物としての動きができなくなっているのです。
その足指を使えていないことが下肢だけでなく身体全体に悪影響を及ぼしている可能性があります。
また筋肉を使えていないと言うことは、血流を悪くし、冷えにも繋がっているでしょう。
●ソファにもたれ掛かる姿勢は楽です。
しかし長時間その姿勢をとることで猫背になって腹筋が弱ります。
その姿勢で固まると、結果的に呼吸が浅くなったり、内臓を支えることが出来なくなって機能が低下したり、便通にも悪影響が出る可能性が考えられます。
●机に座ってパソコン作業をしていると、気付かないうちに頭が前に出てきます。
同時に巻き肩、猫背にもなりますね。
そうなることで首の筋肉に常に負担がかかって過緊張になり、頭へ行く血流が悪くなり、眼や耳などにも悪影響を与える可能性があります。
このように、一見便利に見える現代の社会生活をすることで、実は生きるために必要な筋肉が弱ってしまい、それが様々な悪影響を及ぼしている可能性があるのです。
これはある意味、現代人特有の病気とも言えるのではないでしょうか?
こう言った理由で、緩めると同時に弱っている筋肉を「鍛える」必要があるのです。
●弱っている筋肉を鍛える重要性
緩める施術の良さは血流を良くするなど、皆さんご存知だと思います。
ここでは、弱っている筋肉を働かせる施術の利点について書いて行きます。
①硬くなっている筋肉が緩み、症状が改善する
一般的な施術では硬くなっている筋肉を緩めて血流を良くします。
ですが、硬くなっている筋肉は結果で、それは働かない筋肉を庇うために頑張って硬くなっているです。そしてそこから痛みが出ているのです。
弱っている筋肉を働かせると、硬くなっている筋肉の負担は減るので自ら緩み、そして痛みの症状は改善して行くのです。
②硬くなっている筋肉が緩んで血流が良くなり、弱っている筋肉も働き始めて血流が良くなる
硬くなっている筋肉を緩めると血流は良くなります。ですが、他力でやったことは元に戻りやすいのです。
弱っている筋肉を働かせると、硬くなっている筋肉は自然と緩み血流が良くなります。
弱っている筋肉も働き始めるので、そこの血流も良くなるのです。
③弱っている筋肉が働くことで、姿勢が自ら改善する
弱っている筋肉が働くことで自ずと姿勢も変わって行きます。
正しい姿勢を!と無理に気を付ても必要な筋肉が弱っていては、その姿勢は維持できません。
今まで使えていなかった筋肉が自ら働くようになると、いつの間にか姿勢も変わって行くのです。
(O脚、X脚、猫背、反腰、巻き肩、ストレートネック)
④弱っている筋肉が働くことで、機能が改善しやすくなる
例えば猫背が酷いとしましょう。そういった腰や体幹を支える筋肉が弱っていると、内臓を支えることができず圧迫されしまうため、内臓が十分に機能できない状態になっているかも知れません。
呼吸も浅くなりやすいでしょうし、便通にも影響しているかも知れません。
それらも弱っている筋肉が働くことで姿勢が良くなれば、改善する可能性があるのです。
首が前に出ていると首の筋肉に負担がかかり頭へ行く血流は悪くなると考えられます。
それが眼や耳の症状に影響を与えている可能性があります。
弱っている筋肉を働くようにして姿勢が改善することで、そういった症状の改善にも繋がる可能性はあります。
鍛える施術の重要性を少しでもお分かりいただけたでしょうか。
●関節痛は、筋肉が硬くなっていることが原因?
現在の多くの日本人の常識では身体が痛くなるとクスリを飲んで抑えるとか、注射を打つとか、最終的には手術ということが多いのではないでしょうか。
しかし、所謂「関節痛」の場合、実は筋肉が硬くなっていてそこから痛みが出ていることが多いのです。筋肉が硬くなって血流が悪くなると、発痛物質が出て痛みを感じるのです。
ですので、硬くなっている筋肉を緩めれば痛みが改善、消失することは沢山経験してきました。
●「さぼり筋」(筋力低下)が痛みの原因だった?
ですが、もう一歩踏むと、「なぜ筋肉は硬くなるのか?」という疑問が出てきます。
それは弱っている筋肉(使えていない筋肉=さぼり筋)があるためで、補おうとする筋肉にばかり負担がかかり硬くなってしまうのです(がんばり筋)。
そして、そのがんばり筋から痛みが出るのです。
本当の痛みの原因は筋力が弱っているさぼり筋の存在だったのです。
ですから、さぼり筋が働くようにすると、がんばり筋は自然と負担が減って緩み、痛みは改善して行くのです。
更に、痛みの改善だけでなく姿勢や可動域(関節が動く範囲)も改善して行くのです。
●関節トレーニングは「運動療法」
今までの施術は、患者さんは横になったままで施術者が緩めることが主流でした。
ですが、それでは患者さんの状態は他力の為、一時的に良くなっても根本的に変わるわけではありません。
関節トレーニングは患者さん自身に身体を僅かに動かしてもらいながら、さぼり筋を働かせて行きます(過酷なことはしません)。
ですから、患者さんにも身体の状態を体感してもらえますし、原因が分かりやすいのです。
また、自分で維持するためのセルフケアもお伝えできます。
●即効性はあるが、筋肉が付くのは2,3ヶ月かかる
関節トレーニングは、さぼり筋を狙って働かせます。一度働くと、筋肉の出力は上がるので、それで身体は変化します。
ですが、今まで弱っていた筋肉が一度の施術で付くわけではありません。弱っていた筋肉が付くのは1,2カ月の時間が必要なのです。
それまでは施術を継続しながら、徐々にセルフケアを取り入れて行くことをおススメします。
●対応疾患
・首の症状(首の痛み、頚椎ヘルニア、ストレートネック)
・肩の症状(五十肩、巻き肩)
・腰の症状(腰痛、反り腰、ぎっくり腰、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛)
・股関節の症状(股関節痛)
・膝の症状(膝痛、変形性膝関節症、O脚、内股)
・腕の症状(テニス肘)
・手指の症状(へバーデン結節、バネ指)
・足首の症状(捻挫)
・足指の症状(外反母趾など)
・姿勢(猫背、側弯症)