ここでは腕(肘)が伸びない、腕から指先にかけて痺れがある、という方の症状について原因と治療の実際について書いて行きます。
Sさん(73歳 女性)は左腕(前腕から指先にかけて)痺れが出ていました。
そこで腕の状態を確認すると、腕(肘)が伸び切らない状態になっていました。
過去に、モノを持つと両腕の力が抜けてしまい(ダランとなって)、モノを落としてしまうこともあったようです。
また別の症状としては左親指の付け根に痛みを感じていました(病院でCM関節症と診断)。
身体の使い方を知らないことが原因の一つ
これについては、
肘を曲げる筋肉(一番は上腕二頭筋でしょう)が過緊張になり、しまいには限界を超えてしまって力が入らなくなることで起こったことでしょう。
この原因の一つは、同じ筋肉ばかり使い続けたことです。
身体の使い方を頭で知識としてだけでも知っていれば回避できたことかも知れません。
当院の治療ではそれに対しての問題意識を持ちながら、自分の身体に向き合うことを学んで行く治療に取り組んで行きます。
肘を曲げる筋肉は、手首の角度によって違う
試しに手のひらが天井に向いている状態で肘を力を入れて曲げてみましょう。
そうすると、二の腕(上腕と言う)力が入るのを感じると思います。よく言う「力こぶ」ですね。
これは「上腕二頭筋」と言う筋肉を使っているからです。
次に親指が天井に向いている状態で肘を曲げてみましょう。
すると肘の辺りから手首の方にかけて力が入るのを感じると思います。
これは「腕橈骨筋」を使っているからです。
次に手の甲が天井に向いている状態で肘を曲げてみましょう。
すると上腕の少し奥(深部。上腕二頭筋より深いところ)に力が入るのを感じると思います。
これは「上腕筋」を使っているからです。
このように「肘を曲げる」と一言で言っても、手首の角度によって肘を曲げる時に使う筋肉は変わるのですね。
ですから癖でいつも同じ姿勢で身体を動かしていると、同じ筋肉ばかり使ってそこが過緊張~筋疲労を起こしてしまうのです。
それではSさんの症例について、肘が伸び切らない本当の理由を書いて行きます。
肘が伸びない本当の原因は?
Sさんの場合、肘が伸びない理由は、肘を曲げる筋肉(主に上腕二頭筋)を使い過ぎて、過緊張になり縮んだ状態になってしまっているからです(緩まらなくなっている)。
それは上記に書いたように手首の角度がいつも同じ状態で肘を曲げていたからです。
ですが更に言うと、肘を伸ばす筋肉が弱っているからと言うのもあるのです。
その肘を伸ばす時に働く筋肉を「上腕三頭筋」と言います。
画像を見てもらうとわかりますが、腕の後ろ側と肘を繋いでいる筋肉です。
筋肉は働くと縮みますから、筋力低下で弱るとこの縮む働きが出来なくなるのです。
これが肩、腕周りで言うなら根本原因と言えるでしょう。
ですから施術としては上腕三頭筋を働かせる運動療法を行います。
更に上腕三頭筋を働かせるセルフケアをお伝えして、日常で自分自身でもやってもらう様にアドバイスしました。
このように、症状の本当の背景には筋肉が働いていない(筋力低下)状態があり、それは脳からの指令が伝わっていないことにあります。
ですから脳と筋肉の繋がりを再構築する為の普段の訓練が大切なのです。
※現在、肘はかなり伸びるようになっています。





