ここでは反り腰気味の腰痛で長年困っていた方の症例を紹介します。
Sさん(女性 74歳)は、いま治療に通って来られている方です。
これまで治療+セルフケアで、身体全体の状態が順調に改善しているところです。
ですが、前回の治療を受けた後から背中から腰にかけて痛みが強く出て大変だったというのです。
前回の治療内容は『椅子に座った状態でセルフケアの確認』が殆どでした。
Sさんの身体の傾向を考えて、もしや座った状態が長く続いたことで腰や背中に負担をかけてしまったことで痛みが出たので!?と考えました。
と言うのは、Sさんは上半身が反り気味の傾向が強いからです。
そして改めてSさんの普段多くとる姿勢について確認しました。
Sさんは座っている時間が多いということですが、膝を痛めてからは完全な正座をしないようにしていて、お尻が少し上がった状態で座っています。
膝が完全に曲がらないように、お尻の下にモノを挟んでいるということです。
こういう姿勢になります。
①完全に膝を曲げて正座した姿勢と②お尻が上がった状態で座る姿勢。
②の方が腰に負担がかかりませんか。
①より②の姿勢の方が骨盤が前に傾いています(骨盤前傾)。
②の状態で上半身を立たせると、どうしても腰から背中が反り気味になってしまいます。
Sさんは膝を痛めて正座をしないようにしてから、いつも②の姿勢で座っているようですが、これが背中から腰にかけて常に負担をかける一因だったと考えられます。
また、
「②の姿勢が痛みの根本原因だと思いますよ。その姿勢をなるべくしない、或いはしたとしても胡座をかくなど骨盤を後傾させる姿勢(猫背)も作るようにしてください」
とアドバイスを兼ねてお伝えしたところ、
「この姿勢は実は昔からしていました。バスケットボールをしてて太腿が異常に太かったので、正座をした時に膝を完全に曲げられず、今のようなお尻が上がった状態で座っていました」
と答えられたのです。
Sさんの身体の癖はもう中学生時代からつくられていたのです。
若い頃から腰痛持ちだったと言いますが、こう言ったことが大きく影響していたとも考えられます。
(その他にも原因はありますが)
身体の動きを取り戻すための施術
施術は、
⓵受け腰(骨盤後傾)にする筋肉を働かせる運動
⓶反り腰にする筋肉を働かせる運動
を交互に行い、また、
⓷臀部、腰、背中を伸ばすストレッチ
を取り入れた施術を繰り返しました。
そうすると背中から腰に掛けての痛みはかなり改善しました。
(最後に少し緩める施術を入れました)
これは受け腰、反り腰と両方の動きを身体ができるようにトレーニング(筋肉を働かせる)をしたからです。
Sさんは過去に遡って自分の姿勢が原因で、こうすれば改善することが体験と理屈で少しでも理解できたようです。
自分を客観的に診る必要性
このように、身体の痛みと言うのは多くの場合が普段の偏った身体の使い方から来ることが多いのです。
ですから痛みを改善する方は、偏った身体の使い方を修正して行くことになります。
その偏った身体の使い方は、自分ではなかなか分からないものです。
ですから人に客観的に診てもらう、指導してもらう必要があるのです。
それが治療家の役目だと思います。
そして、実践するのは患者さんだと言うことをお忘れなく(^^)



