ここでは普段のちょっとした姿勢の癖が身体の痛みの原因になっているという症例を紹介します。
Kさん(女性)は仰向けになっていると背中~腰が張ってくる、という症状がありました。
実際に仰向けになってもらうと背中が地面から離れている状態になります。
(これは背中の筋肉が常に緊張して反っているのです)
施術時に身体の動きなどを確認していたところ、ある姿勢が気になりました。
真っ直ぐ立っているだけなのですが顎が上に向いているのです。
そのことを伝えると、自分でもその認識はあるようでした。
Kさんは検査をした限りでは、特に左の肩甲骨を支える筋肉(菱形筋)が弱っていることが分かっています。
また今はかなり改善していますが、当初は左肘を伸ばすことができない状態でした。
(上腕二頭筋過緊張、上腕三頭筋筋力低下)
これらのことから考えても、左上肢に問題があることがわかります。
顎を上げてみるとどうなる?
試しに立った状態で前を向いた状態から顎を上げた状態にしてみてください。
顎が上がると背中から腰辺りの筋肉が微妙に緊張するのが分かるでしょうか?
Kさんは無意識のうちにこの姿勢をとり続けていたために、常に背中が緊張していたのだと考えられます。
では、なぜその姿勢をとり続けるのか?
それはその姿勢がKさんにとってはバランスを保ちやすい姿勢だったのでしょう。
本人が意識してそうしているわけではなく、身体がバランスを取るために結果的にその姿勢を取っていたと考えられます。
その大きな原因が、実は肩甲骨を支える筋肉の筋力低下にあると考えました。
肩甲骨を支える筋肉の筋力低下で起こること
肩甲骨を支える筋肉で重要なのが菱形筋です。
菱形筋は背骨から肩甲骨の内縁に着いています。
菱形筋の主な働きは、
肩甲骨を背骨の方に引き寄せながら、頭の方へ引き上げるという働きをします。
また顔を左に向ける時、左の肩甲骨を背骨に引き寄せる働きをします。
この顔を左に向ける時に左の肩甲骨を背骨に引き寄せる働きができなくなると、、、
その動きを別の筋肉が庇う(=過緊張)のです。
それが頭板状筋、頚板状筋です。
この頭板状筋、頚板状筋の働きは首を横に向ける働きをすると共に首を後ろに反らせる働き(首の伸展)もします。
首が後ろに反ると、背中から腰も若干反るので背中から腰も緊張気味になりますね。
これがKさんの慢性的な背中から腰の痛みの原因の一つになっていたと考えました。
左上肢の筋力が弱い (原因は色々あります 改善中)
肩甲骨を支える筋肉(菱形筋)が弱い
↓
庇って頭板状筋、頚板状筋が過剰に働く
↓
首が反った姿勢になる=顎が上がる
↓
上半身が反り気味になるので、背中~腰が緊張状態(筋肉の硬化)になる
↓
慢性的な痛みが出る
ごく簡単に書くと、こういうことですね。
こうした筋力低下、姿勢が身体の痛みに繋がっていることを知っていただけたらと思います。
Kさんは菱形筋など上半身の施術を行うと、背中の張り、痛みは改善したようです(下半身の影響もあります)。
それでは次回は肩甲骨を働かせる施術とセルフケアについての説明をします。
よろしくお願いします。







